2013年4月7日日曜日

人々が集う絶景ポイントは水の大切さも学べる社会見学的施設だった! 「Marina Barrage マリーナ・バラージ」

シンガポールでは、水道の蛇口から出る水をそのまま飲料用として使うことができます(^-^)/
いつでもキレイな水が手に入る日本人からすると「そんなの当たり前」的な感覚がありますけど( ̄▽ ̄;)
世界的に見ると、そうした国というのはものすごく珍しく、なんと11カ国程度しかないそうです
そのほとんどはヨーロッパの国々で、あとはアメリカ、アジアでは日本とシンガポールだけとか。
本当にすごいことデスよねー(*'▽'*)

そんなシンガポールも、「水資源」という観点からすると、とても厳しい環境にある国と言われています。
こんなにもたーくさん雨が降る国なのに?!って思いますよね。
というのも、国土がとっても小さく、ほぼ平坦で長い河川も大きい湖もないので、国民生活・経済活動全部を満たす量の貯水ができないのだそうです。

シンガポールで消費される水量の供給源としては、約半分をお隣のマレーシアから購入しているという話を聞きました(´ε`;)
このことはしばしば2国間の政治的緊張の種になっていて、何年か前にはマレーシアが「水の価格を100倍にする」なんていう要求があったとか((((;゚Д゚))))
ライフラインの要であるお水を輸入してるって、東南アジアでぶっちぎりの発展国であるシンガポールとしては、弱み握られてしまってる…みたいな感じですね。
厳しい現実…(; ̄O ̄)

このままじゃァいけないっ(*`エ´*)と、シンガポール政府はものすごい解決策を打ち出しました
マレーシアからの「輸入水」の他は、国内にあるたくさんの「貯水池に貯めた水」だけが供給源だったのですが、それに加えて、①「雑排水(下水)を処理して再利用しちゃえー!」と、②「海水を真水に変えてしまえー!」というものo(゚Д゚)

どひゃーヽ(´Д`;)ノ
まぢでーっ?!?!と思いますが、ホントです( ゚ー゚)( 。_。)
しかも、どちらも既に実施されているんですよー!!!

①雑排水(下水)を飲用水として使用できるまでに超高度処理するプラントで、「NEWater(ニュー・ウォーター)」という「再生水」を、そして②海水を脱塩して淡水化するプラントで「生成水」を新たな供給源として作り出し、従来の「輸入水」「貯水池」と合わせて、”シンガポールの4つの蛇口”としています

さっすがシンガポールですねーヾ(⌒ー⌒)ノ
水の自給自足をめざして、まだまだ色んな取り組みを進めているんです

驚くのはこれだけではありません。
狭い国土ゆえ、国内に新たに貯水池を作るのは頭の痛いところです。
それならばと、「海を貯水池にしちゃえー!」ってなことになったんです\(◎o◎)/

ってか、意味がわかりませんー∩( ・ω・)∩ ←お手上げ

ってコトで、実際に「海を貯水池にしちゃった」、まさにその場所に行ってみることにしましたo(^▽^)o
その場所は…。

「Marina Barrage マリーナ・バラージ」


えっとぉ、ここは、どこ…???ってカンジですよね。

みなさんご存知のマリーナ・ベイ・サンズの海側の埋立地には、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイというテーマパーク的植物園があって、えー、そのまた先の、マリーナ・ベイの湾口にあたるところですヽ(´▽`;)ノ

なんか、うまく説明できていない気がするので、詳しくはwebで…ハハハ(^^;;

「Marina Barrage マリーナ・バラージ」のウェブサイト ↓↓↓↓↓
http://www.pub.gov.sg/Marina/Pages/default.aspx

説明によりますると…。
かの有名なマーライオンは、シンガポール川の河口に立っていますね。
昔、マーライオンは海に向かって立っていたのですけど、周辺がぐる~りと埋め立てられて、今はマーリナベイという湾になっています。
んで、この湾のマー君の対面に、マリーナ・ベイ・サンズがそびえ立っているという構図です。
シンガポール川の水がマリーナベイに流れ出し、さらにマリーナベイが埋立地の先端でマラッカ海峡に繋がろうとする湾口のまさにその手前に、「可動式の堰止めダム」を作ってしまいましたー、と(゚д゚)
海に繋がっていた湾を堰止め、川からの淡水を集めて、湾そのものを貯水池にしちゃった、というわけです。

そーんでもって、この「可動式の堰止めダム」のことを「Marina Barrage マリーナ・バラージ」と言うのでありまーす(*´∀`*)

バスを乗り継いで到着すると。


駐車場にはこんな垂れ幕が…。


日本の有名空調総合メーカー(シンガポールでも有名です)のエアコンのマスコットキャラ”ぴちょ●くん”のようでもあり、東京都水道局の水道事業推進マスコットキャラ”すい●きくん”のようでもあり…なキャラクターの絵が目に止まります(´∀`*)

「おみず流しっぱで、おちゃわん洗わないでね」 ← そーだそーだ
「シャワーは5分以内でおねがい」 ← ちょっときついかなぁ(^_^;)
やっぱ”ぴちょ●くん”似かなぁ~、などと思いながら、建物のゲートをくぐって敷地内へ。


さっそく、水を堰止めているところを見に行きました(^-^)/


”ぴちょ●くん”もどきに挨拶して、案内のある方に進むと…。


見えてきました(#^.^#)
これがまさに堰止めてる水門の真上
左側がマリーナ・ベイ(貯水池)、右側が海、となっております~
すなわち、左側が淡水、右側が海水、ってコトです。
へぇぇー、水の色が全然違うんですねー ( °o°)

マリーナ・ベイ(貯水池) ・ 淡水
海 ・ 海水(当たり前~)
建物は屋上にも上がれるようなので、行ってみました。


おおぉ、ちょっと横から見るとこんなんなってるんですね。
結構おっきいっすー(ノ゚ο゚)ノ

んで、水門以外の、まわりに目を向けると…。


そこは芝生が敷き詰められた広場になっていて、多くの人がピクニックをしたり。 ← お弁当食べて、談笑してます。


凧揚げをしたり。 ← 凧、おっき~い


とにかく広いこと、広いこと。


街の方に目が行きがちですが、海側にもタンカーがたくさん見えます。


ウチも見えるかな


ガーデンズ・バイ・ザ・ベイとの位置関係はこんな感じです。 ↑↑↑↑↑


屋上の芝生広場は、ぐるーりと回廊のようになっていて、地上階まで降りて行けます。


回廊の内側には、最初に見えた大きな噴水
噴水の向こうの建物の上が、さっきの大きな芝生広場ですね。
芝生広場の下は、ポンプ室。
この貯水池の水量の調整にとても重要で、とーっても大きな施設でした。

この日は快晴で、とーっても暑い日でしたので、ぐる~り一回りするあいだに汗だく…(´ε`;)
涼しい所を求めて、ビジターセンターの中に入ってみました



ひょーっ、涼しいヽ(*´з`*)ノ

センターの中には、「Sustainable Singapore Gallery サステイナブル・シンガポール・ギャラリー」がありました。
ギャラリーの中では…。


雑排水(下水)を超高度処理した「NEWater(ニュー・ウォーター)」の説明や。


水源の乏しいシンガポールが、どのように水量を確保してきたか、雨が多く海抜の低いシンガポールが洪水の被害にどう対応してきたかの歴史を展示していたり。


水の供給源を確保する国の施策を伝えたり、省エネや水の節約の重要さを働きかける展示物に。




「マリーナ・バラージ」の大きな模型で、ここの施設の全体の仕組みも眺められます。

さっき外の広場から見た大きな堰は、こんな大仕掛けな施設だったのかーと、改めて驚きます。


この「マリーナ・バラージ」3つの大きな役割を持っていて。
巨大な貯水池として、シンガポールの水需要のなんと10%にも対応できる供給源であり。
先ほどの屋上庭園でのピクニックや、水辺でのマリンスポーツなどを楽しむことができる人々の憩いの場であり。
土地の高さの低い市街地の洪水を防ぐための水位をコントロールするダムであり。
とまぁ、人々の暮らしを豊かにするための国家プロジェクトの一環なんだということを知りました




今こうして、キレイで安全で何不自由なく、災害からも縁遠い生活を毎日送ることができていると、本当に海外で生活しているのかどうか…と錯覚してしまうくらい、この国はインフラ整備が進んでいます。
こうして水の完全自給自足を目指し、災害への対策を図り、自然との調和を取りながらの都市づくりを進める、政府の強い姿勢について知見を広げることができました。

さて、十分涼んだので、水門を近くで見ることができる堰の上に行ってみました


全長は350mほどあるそうです。
長いですねー(´▽`)


堰の上からマリーナ・ベイ方向を見ています。 ↑↑↑↑↑
ここの水を全部淡水化し終わるまで、なんと10年もの年月がかかったそうですよ


ベイサンズやフライヤー、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのドーム型植物園も見えますね


これが水門です ↑↑↑↑↑
1つ約30mの長さがあって、全部で9つあります。


上を歩く人と比較すると大きさがわかりますか
私は、以前やっていた仕事の関係もあり、土木構造物が大好きなんです(笑)。
こーゆーところを見てるのも、全然飽きない(#^.^#)


海側を見れば、すぐそこにはたくさんのタンカーが。
水の質がこの堰を堺に全く異なるなんて、本当に不思議です。

さて、さすがに暑くなってきたので、戻りますか。


出口に向かおうとしたら、涼しげな音と子どもたちの笑い声が聞こえたので、目を向けると。


アート作品や。


ウォータープレイグラウンドなるものもありました。


みんな楽しそー
私も飛び込みたいよーヾ(⌒ー⌒)ノ


セイリングとかもできるみたいですね
シャワー設備もちゃんとあり、いやいや、本当に楽しそうですよヽ(*´∀`)ノ

ウォータースポーツは有料ですが、ギャラリーや屋上庭園、プレイグラウンドの入場はぜーんぶ無料
こんなに奥深く、楽しめるところがあったなんて、意外でした~
シンガポールの水事情について知ることができたし。
カフェやレストランもあるから、昼間はモチロン十分楽しめるし。
夕日や夜景がとってもキレイに見えるスポットのようだから、潮風に吹かれながらステキな時間が過ごせるでしょうしね

来てみてよかった~(#^.^#)
とーっても楽しかったです
今度は夕方から来てみたいなぁ(*^^*)


そうそう、この”ぴちょ●くん”もどきのキャラクター。
なんと、シンガポールの上下水道施策全般を所管しているPUB (Public Utilities Board 公益事業庁)のマスコットキャラクターだそう

その名も、”Water Wally” (´∀`)


そぉかぁ、どこにも市民関心を引くためにキャラ化したものが存在するんだなー(o^-^)

PUB のウェブサイト ↓↓↓↓↓

”Water Wally” のウェブサイト ↓↓↓↓↓


それから、帰ってきてからいろいろ調べてみて知ったことだけど。
シンガポールの水施策で重要な濾過技術や、汚水の超高度処理技術、淡水化技術には、日本企業の技術が大いに関わっているんですって
さっすが水ビジネス先進国の日本ですね
めっちゃ誇らしいっす!!!


「Marina Barrage マリーナ・バラージ」
8 Marina Gardens Drive, 018951
TEL +65-6514-5959

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